春一番とは?気象庁の基準は何?2015はなかった!
「春一番」とは季節の用語で、
“北海道・東北・沖縄を除く地域で、
立春から春分(*)の間に
初めて吹く南寄りの強い風”をいいます。
(*):立春・春分は暮らしの歳時記にある、
二十四節気を構成している節目で、
ちなみに2016年は
立春が2月4日、春分が3月20日です。
「春一番」をもう少し詳しく解説しましょう。
- 春一番とは?
「春一番」と言う言葉は、
古く江戸時代から石川県能登地方
三重県志摩地方より西の船乗りが
すでに使っていました。
1859年長崎県五島沖に出漁した
漁師53名が春の嵐に遭遇し、
全員遭難したことから「春一」、「春一番」として
長崎県の漁師たちにも恐れられていました。
気象用語として使われ出したのは、
比較的新しく戦後になってからです。
「春一番」は気象台によって少しずつ定義が違います。
関東地方を管轄(かんかつ)する気象庁では、
以下の事項を基本にして総合的に判断して発表します。
★立春から彼岸までの期間
★日本海に低気圧がある(発達すればなお理想的)
★東京で最大風速8m/秒の
”東南東から西南西の強い風”が吹く
(関東内陸全体で強い南風が吹かなくてもよい
;風速とは10分間の平均風速)
★気温が前日より高い
一方近畿地方を管轄する大阪管区気象台では、
“気温の表現”だけが微妙に東京と違っています。
★気温が前日“または平年”より高い
また“北海道・東北・沖縄を除く地域”と言いましたが、
本州でも
長野地方気象台では
★吹いてもまだ寒い時期がつづくため、
「春一番」の基準は設けておらず、
認定・発表することもありません。
甲府地方気象台では
★この時期に「春一番」にあたるような風が吹いても、
盆地という地形のため、風速8m/秒まで強くなることはなく、
特に基準を作ったり、認定していません。
- 関東地方の「春一番」の記録
「春一番」の観測を始めたのは1951年(昭和26年)で、
今迄の記録の中で最も早い記録と最も遅い記録を探して見ますと、
最も早い記録は1988年(昭和63年)で2月5日
最も遅い記録は1972年(昭和47年)で3月20日
です。
ちなみに今年2015年は、
「春一番」は記録されませんでした。
今まで「春一番」が吹かなかったことは
これまでに何度かあり珍しいことではありません。
さて来年の2016年はどうでしょうか?
気象庁が最近、“全国3カ月の長期予報”を
11月25日発表しました。
それによりますと赤道付近の海水温が異常に高い、
“エルニーニョ現象”が強く表れ、
春先までは暖冬とのことです。
気象が地球温暖化の影響か、
少しずつ日本列島で亜熱帯地域が増えつつあり、
異常気象が多くなっています。
2016年の「春一番」も異常気象の影響を受け、
今年と同じく“「春一番」が吹かない”かも知れませんね。
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