年と歳の違いはなに?使い分けはどうする?
《年末と歳末》《年月と歳月》
《年神様と歳神様》など、
《年》と《歳》って何気なく使っていますが
どういう違いがあるのでしょうか。
元々の意味や使い方を少し調べてみたので紹介します。
《年》について
読み方は〔ねん〕と〔とし〕があります。
読みによって使う場面が変わってきます。
〔ねん〕(名詞) 一年のことを意味します。
例 「昨年」「来年」など
(接尾語) ①年号や年数を表すのに使います。
例 「平成5年」「西暦1945年」など
②年齢や学年を表すのに使います。
例 「人生50年」「小学3年生」など
〔とし〕 ①時の単位 1月1日から12月31日までの12カ月間
(太陽暦では地球が太陽を一周する時間で、太陰暦では月が地球を一周する時間)
②年齢 例 「年を取る」など
③老齢 例 「もう年だ」など
④季節、時節
⑤穀物、特に稲のこと。また稲が実ること。
〔とし〕 元々は穀物を意味していました。一回の収穫に一年を要するので
それが転じて「年」を表すようになったといわれています。
また、〔とし〕と読むときには《歳》と同じ意味になりますから
《年》と《歳》のどちらを使っても間違いではありません。
その他よく使われることば
〔ねん〕「年に一度の~」「○年ぶり」「年末」など
〔とし〕「年が明ける」「年の初め」「来年はいい年でありますように」など
《歳》について
読み方は〔さい〕と〔とし〕があります。
この字も読み方によって使う場面が違います。
〔とし〕は《年(とし)》と同じ意味なのでどちらを
使っても間違いではありません。
〔さい〕 年齢、年数を数えるのに使います。
例 「60歳」「数えの65歳」「満32歳」など
年齢を書くときに《才》という文字を使うことがありますが、
これは手間を省くための略式の文字です。
《歳》と書くが正式なのですが、
画数が多く書くのが面倒なので同じ音を持つ
《才》が多く使われています。
《才》は《歳》とはまったく意味が違いますから、
面倒でも年齢を書く時には《歳》と
書くように心がけた方がいいですね。
ちなみに…
《才(さい)》 ①生まれつきの資質 「天才」「秀才」など
②頭のはたらき 「才知にたけている」など
③木材の体積の単位
④石材の体積の単位、船の積み荷の容積
「石(こく)」の10分の1
共通の意味は見つかりませんよね。
ちょっとした豆知識でした。
ちょっと話はそれましたが、
《歳》〔さい〕と読むときには
単独で用いられることがなく、
常に複合語の一部として使われます。
例 「歳末」「歳月」「歳費」などです。
《ねんげつ》と《としつき》と《さいげつ》
どういう使い方をするのか、
ちょっと紛らわしいものを選んで調べてみました。
《さいげつ(歳月)》 としつき、年月
《ねんげつ(年月)》 としとつきと、としつき、光陰、幾年もの期間
《としつき(年月)》 としとつきと、つきひ、多くの歳月、年来、年頃
期間の感じ方だけで考えると、
同じ漢字を使う《ねんげつ》と《としつき》ですが、
《としつき》より《ねんげつ》の方が
期間を長く感じられるようです。
また、《さいげつ》を多く重ねると
《としつき》になるようですから、
《さいげつ》<《としつき》<《ねんげつ》の順に
期間を長く感じられる言葉になっているようですね。
個人的には《さいげつ》が一番長く感じるのですが。
なんとも頼りないですが、
結論はどれを使っても自分の感覚で
使って大丈夫だということでしょうか。
《年》と《歳》、同じ《とし》の読みではどちらでも使えますが、
他の読みのときには使い方が異なりますから、
しっかり考えて使うようにしましょう
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